なんくるの普通の日々 Vol.001 「自由という、楽園」
2006.06.01

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│メルマCiCオリジナルエッセイ
│『なんくるの普通の日々』Vol.002
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「自由という、楽園」

1年くらい前から、あるおばあちゃんのことがすごく気になっていた。19世紀と見間違うようなワンピースにエプロンをつけて、色とりどりの草花が満開の庭を、裸足で歩く。ベリーを摘む傍らには、ちょっと太りぎみのコーギー犬が体を揺らしている。
冬のある日には、雪が積もった真っ白な庭を、真っ赤なマントを着て見て廻る。赤ずきんちゃんの物語ではなく、21世紀の今の話。

おばあちゃんの名前は、ターシャ・テューダー。バーモント州の山奥で、30万坪にもおよぶ土地を切り拓いて家を建て、驚くほどの見事な庭を作り上げたアメリカ人女性だ。90歳を過ぎた今も、花のシーズンになれば、毎日庭の手入れに精を出すという。
絵本作家でもあるターシャ。その素朴なタッチで描かれた絵本には、コーギー犬をはじめとして、身のまわりにいる動物たちが主人公として登場する。

自然の中で、いろんなしがらみに縛られずに、美しいものだけに囲まれて暮らすターシャ。彼女に惹かれる日本女性は多い。たくさんの種類の花の種や球根を植えて、見たこともないような花園をつくりたい。自分の好きな小さな動物たちといっしょに、庭で遊びたい。お茶を楽しみながら、木陰で好きな花をずっと眺めていたい。そんな憧れを、何十年にもわたって自分自身の手で実現してきたのがターシャなのだ。

ターシャが初めて花と出逢ったのは3歳か4歳のころ。電話を発明したベルの家で見たバラがきっかけだった。23歳で結婚、4人の子どもをもうけ、46歳で離婚した後も、自分の好きという気持ちに、どこまでも正直に生きてきた女性。ターシャの庭は、こころの自由をそのまま表現した、彼女のアート作品なのだ。「一生は短いのよ。思いきり楽しまなくちゃ」の言葉が気持ちいい。

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│なんくる(コピーライター)
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