なんくるの普通の日々 Vol.005「やわらかなガラスに出逢った」
2006.09.01

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│メルマCiCオリジナルエッセイ
│『なんくるの普通の日々』Vol.005
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「やわらかなガラスに出逢った」

普通ガラスには、ひんやり冷たくて、固いイメージがあると思う。でも、そのイメージをまったく変えてしまう素敵なガラス作家が富山にいる。彼女の名前は小路口力恵(しょうじぐち・りきえ)さん。昨年の春から富山市古沢で“小路口屋”という硝子工房を立ち上げ、新たな制作活動を始めた。

小路口さんが生み出すガラスには、あたたかさを感じる。そして「ガラスって、本当はやわらかいものなんだ」と改めて発見する。いま、私の目の前にあるのは「こざぶ」と名づけられた作品だ。その名の通り、小さなかわいらしい座布団のカタチをしている。ふっくらとしたやわらかさと、その透明感。ふかふかの座布団に座ったときのあの感触がガラスで表現された、不思議な作品だ。

何より「ここちよさ、やわらかさ」を大切にしたいという彼女。1200度近い熱で溶けたガラスは、当然のことだが「やわらかい」。「ガラスはやわらかい」という感覚は、実はガラス作家にとってはあたり前のことなのだ。「自分自身も見る人も、ほっとするようなものをつくり出したい」と語る小路口さん。誰かにあげたいと思いながら、カタチをつくっていることが多いのだという。大切な人にプレゼントしたくなるような作品の数々。まさにそんな思いが、温もりとなって伝わってくる。

2002年には日本現代ガラス展・能登島で金賞を受賞。来年の2月には東京のスパイラルでの作品展も決まっている。個展などで作品が売れると、「うちの子をよろしく」といった気持ちになるという。ガラスがふっくらとふくらむ時の感触を、これからも一つひとつ大切に育てていく小路口さん。その手から生まれるガラスは本当にやわらかで、ここちよさに満ちている。

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│なんくる(コピーライター)
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