
┌──────────────────────────────────
│メルマCiCオリジナルエッセイ
│『 恋レキ。〜彼女たちの恋愛履歴〜 』story.009
└──────────────────────────────────
「頑張れ!ケイティ・ガール」
2007年、最初の「恋レキ。」を飾るのはマナさん、33歳。
TV局の番組ディレクターとして忙しい日々を送っている。
天真爛漫で社交的、仕事に趣味にと才能を発揮する彼女。オンがアクティブな分、長い付き合いの彼氏とはリラックスできる心地いい関係だったという。
「気が強くて仕事でもよく壁にぶつかる私を、彼が支えてくれていました。彼の前だと肩の力が抜けて自分らしくいられたんです」
「将来はプロデューサーになって、いい番組を作りたい」
この夢をかなえるために、全力で走りつづける彼女を、彼は好きだと言ってくれたという。言いたい事を言い合い、しょっちゅうケンカしながらも一緒にいる二人は、周りから見てもベストカップルだった。
それなのに。
「フラれたんです〜。『あなたは自分を譲らなさすぎる。俺にはつき合いきれない』って」
まもなくして彼は、マナさんとは正反対の癒し系タイプの女性とつき合いはじめた。
マナさんを見ていると、映画『追憶』を思い出す。
ご存じ、バーブラ・ストライサンドとロバート・レッドフォードによる名作だ。
バーブラ演じる主人公ケイティは、妥協する事を知らないゴーイング・アヘッドな女性で、周囲ともぶつかってばかり。美人ではないが生命力あふれる彼女に、ハベル(レッドフォード)は強く惹かれていく。
互いの生き方に違いを感じながらも愛しあう二人。しかし、ハベルは負けず嫌いで自分を譲らないケイティにいつしか疲れ果て、別の女性と結婚してしまう・・・というハナシ。
そういえば、私の大好きなドラマ「セックス・アンド・ザ・シティ」の中でも、面白いセリフがあったっけ。主人公キャリーが、元彼がお嬢様風の女性と婚約した時に、『追憶』のケイティを思い出してこう言う。
「女には、2種類のタイプがあるのよ。ケイティと、そうじゃない女の子」。
つまり、「自分を譲れず、恋に失敗するケイティタイプ」と、「相手を受け入れて順調な人生を歩むタイプ」があるというのだ。
もしそうなら、マナさんは間違いなくケイティ。
確固たる自分を持つあまり、恋愛では失敗してばかり。本当は、誰よりも深い愛情の持ち主で、誰かに愛されることを欲しているのに。
不器用で、愛すべき女の子。私の周りには、そんなケイティたちがいっぱいいる。
マナさんは言う。
「あるがままの自分を好きになって欲しいというのは、ワガママなのかな。でも、自分を変えられないし、無理してもボロが出るだけ。33歳にもなって、そんな恋愛ベタな自分に嫌気がさすけど、これが私なんだって思うから」
別れた彼が、そんなマナさんだからこそ、マナさんを愛していたのも真実だ。
ハベルが、ケイティを心から愛していたように。
好きだからこそ、一緒にいると苦しい。そんな恋もきっとある。
私は言いたい。「負けるな、ケイティ・ガール!」と。
この先、また恋に失敗したとしても、あなたは何も失いはしないし、何も変わらない。
そのままで十分、キラキラしているから。
誰かを好きになるたび、もっと素敵になっていくだけだから。
そのままのあなたが、私はすごく好きです。
┌──────────────────────────────────
│著者:Sawako Matsuoka(コピーライター)
└──────────────────────────────────