なんくるの普通の日々 Vol.015「ねえムーミン」
2007.06.29

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│メルマCiCオリジナルエッセイ
│『なんくるの普通の日々』Vol.015
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「ねえムーミン」
 
日本人なら誰もが知っているムーミン。フィンランドの女性画家、トーベ・
ヤンソンが描いた北欧の豊かな森や自然を舞台にした物語。岸田今日子の
声、詩的で不思議なたくさんのキャラクターも大好きだった。
 
どこか暗くて、少し恐くて不条理な感じ。見たこともない生き物。ミィの
おばあちゃんみたいな顔と髪型。やはり、子どもって、明るいだけの物語
より、怖いものが好きなんだと思う。成長するときに出会ういろんな不思
議や未知のもの。なんでも知りたい好奇心やなんでも感じ取りたい欲求を
ムーミンは満たしてくれた。
 
実際にトーベの描いたムーミンは、日本のアニメとはかなり違っていて、
最初の頃に日本で作られたムーミンには、彼女は納得していなかったらし
い。でも、日本で1990年に再アニメ化されたムーミンには、ヤンソン自身
もかかわり、より原作に近いカタチでつくられて、人気は世界に広まって
いった。

この時にキャラクターをデザインしたのが、名倉靖博さんだ。ヤンソンは
名倉さんにFAXで丁寧な指示を送り、常により芸術性の高いキャラクター
づくりを求めつづけたという。
 
名倉さんはアニメの『銀河鉄道の夜』や、『天空の城ラピュタ』、去年公
開された富山出身の細田守監督の『時をかける少女』などの作画をはじめ、
キャラクターデザインなどを手がけてきた第一人者。実は、福光にアトリ
エを構えているそうで、去年の夏、福光美術館でムーミンの原画をはじめ
とした作品展が開かれていた。 
 
彼の作品のなかで特に驚いたのが、テレビCMに使われたムーミンのアニメ
の絵コンテだった。鉛筆で、花びらの1枚1枚まで丁寧に描かれた絵コン
テには、ムーミンへの深い愛情があふれていた。モノクロの絵コンテなの
だけどあまりにも繊細で優しく、名倉さんの人柄が伝わってくる気がした。
 
トーベは2001年に86歳で亡くなった。でも、彼女のムーミンへの思いは名
倉さんへと引き継がれて新しい世界をつくり、確実にたくさんの人に伝わっ
ている。
 
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│著者:なんくる(コピーライター)
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