
┌──────────────────────────────────
│メルマCiCオリジナルエッセイ
│『 恋レキ。〜彼女たちの恋愛履歴〜 』story.020
└──────────────────────────────────
「30代ガールズ VS 30代男性」
寒くなって、恋愛するのに一番好きな季節がやってきた。
ところで。恋愛大国アメリカでは、正式な彼氏、彼女になるまでにステップがある。
まずは、知りあって何度か2人で出かける「dating」期間があり、その後、
本気になった時に「I love you」と告白し、はじめて特定のステディ
「boyfriend」「girlfriend」となる。
つまり、最初の段階で2人でデートするというのは大きな意味を持たない。
逆に、年齢が進むにつれてこのdating期間に時間をかける人も多い。
最近、私の周りでも、つきあうまでのデート期間(お試し期間)を踏むとい
うのが当たり前になってきている。知りあって「いいな」という程度でも、
とりあえず何度か2人で出かけて、この人を好きになれるかどうかを確かめるのだ。
そのデートには深い意味はないから、一人と会いながらも他の男性とも遊び
に行くし、誘われればコンパにも出かける。もちろん、特定の彼氏彼女とし
て約束したわけでもないから、何度か会った後で自然消滅もすることもある。
お互い本気にならない限り、傷にはならない。そんな風に気軽かつ冷静にい
ろんな人とデートする姿を見て、富山の女の子もずいぶんアメリカ化したな
と思っていた。
でもどうやら、30代の男性はそうでもないみたいなのだ。
雑貨店ショップの店員、ナオちゃん(32歳)。コンパで知りあった30代半ば
の男性が好印象だったので、連絡先を聞き、ご飯に誘った。数日後、誘いは
見事にスルーされ、「みんなで飲みに行こう」という返事が来た。
ナオちゃんはけしてモテないタイプではないし、失礼だが、彼の方がよっぽ
ど恋人がいなさそうなオクテなタイプ。
「こっちは深い意味もなく誘ったのに、フラれたみたいでショック」とこぼしていた。
以来、ナオちゃんからは連絡しなかったが、しばらくして彼の方からメール
が来るようになった。ナオちゃんはプライドがじわりと傷むのを我慢して、
「また2人で飲みに行きましょうよ」と誘った。すると、再び「せっかくだ
から大人数で楽しく飲もう」との返事。
「普通はここで止めるんだけど、彼のデリカシーのなさにアタマ来て、『私
は2人で飲みに行きたいと言ってるのに、少し失礼じゃないですか』と送っ
てやったの。そしたら彼は『ごめん、2人で行こう』とようやく乗ってきた」
そして2人はようやく会うようになったみたいだけど。
「この歳になって、グループ交際なんてやってられない。だから彼女が出来
ないのよ」とナオちゃんはバッサリ切り捨てる。
「30代男性の反応がニブイ」「駆け引きしてるのか連絡が遅い」「グループ
交際したがる」「モテなさそうな人に限って、理想が高い」———。
こういう話はよく聞く。もちろん、彼女たちが出会った男性が、彼女たちに
対して興味がないというのも進展しない大きな理由の一つだろう。
でも、彼女たちが考えているよりずっと、彼らは「2人でデートする」こと
に慎重な気がする。本気で好きな相手じゃないと、ダメみたいなのだ。それ
は悪いことじゃないし、当たり前なのかもしれない。でも、時に彼らがじれっ
たく、とても幼く見えてしまうのはなぜなんだろう。
私たち女性が、変わってしまったのか。あせりすぎてる?
彼女たちは、駆け引きはしない。会いたい人に、まっすぐ会いたいと言える。
ダメならブレーキをかける。諦める勇気を持つ。
人生のハンドルを、自分で握っている。助手席には座らない。
その姿には強く共感するし、30代の恋ってそういうものだと思う。
テンポよく人生を進めていきたい30代ガールズと、理想高き、どこまでもゆっくりの男性たち。
そっか、そんな正反対の2人が出会ってしまうから、現実はそう上手くはいかないのか。
┌──────────────────────────────────
│著者:Sawako Matsuoka(コピーライター)
└──────────────────────────────────