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│メルマCiCオリジナルエッセイ
│『なんくるの普通の日々』Vol.020
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「過剰であること。」
自分の内側から吹き出す、どうしようもないもの。多分、アーティストとか、
表現者と呼ばれる人たちは、人に見せたいと思う前に、それを外に吐き出さ
ずには生きられない人なのだと思う。普通じゃないことに、平凡なわたしは
憧れる。けど、恐らく彼らとは一緒にいられない。普通の人間がその大きな
力に巻き込まれてしまっては、まともではいられないはずだから。
そんな素敵で、過剰で、希有な才能を持つ女性アーティストの一人に草間彌
生がいる。彼女の代表作といえば、水玉を描いた作品。ベンディングマシー
ンも、テディベアも、人間も、馬も、彼女によってこの世界はすべて水玉に
彩られる。「オブセッション(強迫観念)」とタイトルにもある通り、もとは
彼女の病によるものなのだけど、その作品は決して破壊的だったり、暴力的
なものではなく、どこか優しく愛おしい、心地いい驚きがある。
1929年生まれというから、現在78歳。長野県で生まれ、京都で日本画を学び、
1957年に渡米。ニューヨークでボディ・ペインティング、ファッション・
ショー、反戦運動など多数のハプニングと呼ばれるパフォーマンスを行って
いた。1973年には帰国して小説や詩集も発表。その後は現在まで世界各地の
美術館やギャラリーで個展を開催し、高い評価を得ている。
何年か前、テレビで見た彼女は、やはり原色の水玉のワンピースを来ていた。
純粋で一途な大きな瞳で、自分の思いのたけを素直に語っていた。彼女が着
ていた服についてキャスターの発した「かわいい」の声に、70歳を越える彼
女が少女のように答えていた姿が印象的だった。
何かを抱えてしまったとき、その過剰すぎるマイナスを、人は大きなプラス
のエネルギーに変えることもできる。アーティストは、それを極限まで突き
詰めていった人たち。でも、そのエネルギーを愛情に満ちた作品に昇華でき
る人は、かなり少ないと思う。遠くから眺めつつ、彼女の世界にたまに遊
びにいってみるのもいいかも。
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│著者:なんくる(コピーライター)
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