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│メルマCiCオリジナルエッセイ
│『なんくるの普通の日々』Vol.021
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「デンマークのニルセンさん」
北欧のデザインや物語に、どうしてこんなに惹かれるんだろう。家具とか、
食器とか、ムーミン、それにアンデルセンの童話。そして最近知ったのが、
デンマークの切り絵モビールの世界。
イェンス・ファンダー・ニルセンさんが作る紙のモビールは、アンデルセン
やグリム童話をはじめ、動物や自然、暮らしをモチーフにした、カラフルで
優しくて、繊細なデザイン。
青々と繁った木に実った、たくさんのリンゴの実。森の小鳥たちや蝶々、
そして、さかなやふくろう、水のしずくも切り絵のモビールになる。
家の中で過ごすことが多い長い冬の間に、子どもたちと一緒に楽しめる娯楽
として広まったという切り絵モビール。デンマークでは伝統工芸とも言える
くらいで、切手にもなっているそう。
モビールは紙という平面だけど、部屋の中や窓辺に吊るされた瞬間から繊細
なインテリアになり、空間をより立体的にしてくれる。モチーフ次第で部屋
の中は物語の舞台にもなるし、空想のなかでは世界中を旅することだってできる。
なんて素敵な遊びなんだろう。かつて繰り返し読んだ物語のモチーフも、ど
れも繊細な作品になっている。『みにくいアヒルの子』『雪の女王』『裸の
王様』『マッチ売りの少女』。ニルセンさんも、もとは自分の子どものため
に作り始めたとか。お父さんが作ってくれる愛情いっぱいのモビールを見た
ときの子どもたちの表情が目に浮かぶ。
そう言えば、日本にも折り紙や切り絵の文化がある。娯楽の少なかった時代
は、すごく大事な遊びだった。自分で遊び道具を作るのはやっぱりたのしい
し、物語って、ほんとに大事なんだな。子どもは自分の足で遠くへ行けない
分、物語の世界で思う存分遊べるのがうらやましい。
冬の間にモビールをいくつか作って、部屋の中や窓辺に吊るしてみたい。
一枚の紙と少しの糸、そして、ちょっぴりの想像力があれば、人はしあわせ
になれるはず。
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│著者:なんくる(コピーライター)
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