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│メルマCiCオリジナルエッセイ
│『 恋レキ。〜彼女たちの恋愛履歴〜 』story.023
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「200bのむこう側」
好きな人の言葉から、本当の気持ちを読みとるって難しい。特に携帯メールは。
ハナちゃん、31歳のスタイリスト。山口もえ似のほんわか美人だ。彼氏いな
い歴1年のハナちゃんは、友達の紹介である男性(35歳)とデートした。
「ファッションに無頓着な人と聞いていたから、外見は期待していませんで
した。待ち合わせ場所に現れたのは、スタンドカラーの白シャツを裾折りジー
ンズの中に入れ、ピーコートを着て、イベントスタッフみたいに首からケー
タイを下げたぽっちゃり型の彼。厳しくツッコミ入れたかったけど、まあい
いやって」
「旅客機撮影とパソコンミュージックが趣味の人だったんだけど、自分の話
ばかりで私の事は全く質問しない。会話がかみ合ってないことに気づかないし、
お店は勝手に決めるし、デート慣れしていないんだろうなと。でも彼が楽し
そうだったから、私も今日が無事に終わればいいやとニコニコしてたんです」
次はないと思ったハナちゃん。しかし、彼はそうではなかった。
「今度ドライブに行きませんか」と週末ごとにお誘いメール。
「仕事が当分忙しいので」と、理由をつけて断り続けるハナちゃん。敏感な
人であれば、ここで諦める。
でも彼は、「仕事ばかりしてないで、たまには息抜きも必要だよ♪リラックス
したくなったら連絡して。30分で駆けつけるから(笑)」とウキウキメール。
「かえってリラックスできません〜。しかもメールの(笑)の意味がわからん」
とハナちゃん。
「面倒なのでスルーしていたら、『雪降ったよ。朝早く出ないと遅刻するよ!』
『和食と洋食と中華、どれが一番好き?』『今週もひと山超えた〜。もうひと
踏ん張りっと♪』『二日酔いでダウン中。何やってんだか俺(><)』と、返答
に困るメールが続いたんです」
つらいですね・・・。
「返事しないのに、まるで彼氏のように毎朝7時に届くので、朝からブルー。
しかも毎回署名つきなのにもイライラ。気持ち悪かったのが、『今、酔っぱ
らっちゃってます』と届いたメール。飲み会の食べかけの料理写真が添付さ
れてて、知らないアニメ本が一緒に写ってた。ソッコー削除しました」
とどめが、「軽井沢のアウトレットにいかない?」というメール。
「時間作れないので、そういうお誘いは受けられません」と断ると、「じゃ
あ、一体どのくらいなら時間作れるのかな?行動は、言葉ほど嘘はつけない。
それでもあなたは言葉の力を信じますか?」と彼。
「もう完全に意味不明。腹立って『あなたとはお会いしたくありません』と
はっきり断りました。ようやく収まったけど、この2ヶ月長かった。彼のため
にも、もっと早くはっきり言うべきだっと、ちょっぴり申し訳なくなりました」
ハナちゃんは、やさしい子だ。
「私も過去に、好きな人に『いま仕事が忙しいのでごめん』とデートを断ら
れた経験がある。今思えば、あれはお断りのメールだったんだと。私も『無
理しないで頑張ってね、落ち着いたら遊ぼう』とかしばらく頑張っちゃって
たもん。メールって、つい自分にいい風に取っちゃうんですよね。勉強にな
りました」
恋愛においてメールが大きな役割を果たすいま、その便利さはひとつ間違え
れば、諸刃の剣になる。
これからは、メール上級者だけが、恋愛上級者になれるのかもしれない。
大変な時代だと思う。だって私も、彼のことを笑えないからだ。相手のメー
ル1つに一喜一憂している。
私はどれだけ、メールで本音を言ってきたのだろう。言えるのだろう。たぶ
ん何十パーセントも言えていない。
でも、いちばん大切なのは、メールのむこうの相手の気持ちを感じようとすること。
そういえばこれ、いつの時代も恋愛の基本だ。ううん、人と人の基本だったりするんだ。
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│著者:Sawako Matsuoka(コピーライター)
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