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│メルマCiCオリジナルエッセイ
│『なんくるの普通の日々』Vol.025
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「白州家の食卓」
白州正子、白州次郎夫妻といえば、由緒ある家に生まれ、日本文化におい
て、また外交の舞台でも活躍した時代の先端を切り開いた夫婦。白州正子
は1910年生まれ。1924年から次郎と結婚する前年までアメリカに留学して
いた。次郎は1902年芦屋生まれで、ケンブリッジを卒業。戦後の日本で、
吉田首相を影で支えた人だ。
次郎はつねに自身の生き方に「プリンシパル(原則)」を持ち、イギリス
仕込みのユーモアと知性、そして185センチの長身とハンサムな顔だちで、
現代の日本人も憧れるカッコいい大人。日本人で初めてジーンズをはいた
人とも言われている。
生っ粋のお嬢様として生まれ育った正子は、結婚後、能や骨董、文筆の世
界で才能を発揮した。彼女は家庭を持ち、子どもに恵まれてからも、自ら
料理をすることはなかったらしい。才能豊かな女性だけに、逆にもったい
ない気もする。
ところが、ある時から正子は一つの楽しみを発見する。それは、自分が目
利きした骨董の器に合った料理を「娘に作らせる」ことだった。サラリー
マンに嫁いだ娘の牧山桂子さんは、実家からほど近い別宅に住んでいた。
正子や次郎は喜んで食材を娘に提供し、器にあった料理を楽しんだ。牧山
桂子著『白州次郎・正子の食卓』では、桂子さんが二人のために丹精込め
た料理とエピソードが紹介されている。
両親譲りなのか、桂子さんの文章にもウソがなく気持ちいい。器と料理の
コラボも楽しく、とにかく美味しそうだ。伊万里やフランスの絵皿などの
骨董に盛り付けられた白州夫妻が愛した料理。和洋中、ときには高価な食
材も並ぶ。
春のページは山椒の花のつぼみをたくさん入れた山椒鍋が紹介されている。
そう言えばちょうどいま、家の庭に小さな山椒のつぼみがふくらみ始めて
いる。ふたりが好きだった独特のテイストを、一度試してみるのもいいか
もしれない。
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│著者:なんくる(コピーライター)
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