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│メルマCiCオリジナルエッセイ
│『 恋レキ。〜彼女たちの恋愛履歴〜 』 story.029
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「あいのかたち」
劇場版「SEX AND THE CITY」が公開されて1週間、既に2回も観てしまった。主人公の女性4人が自分らしい幸せを求めて生きる姿は、どうしても周りの女友達と重なってしまい、思いっきり共感し、泣いてしまうのだ。
そんな女友達の一人、ユウちゃん(32歳)。原田知世似の彼女には、8歳年下の彼氏がいる。内野聖陽を若くしたようなイケメンな彼は、愛情表現がまっすぐでとてもスイート。年の差を感じさせない包容力で、ユウちゃんを受け止めている。
実はユウちゃん、彼とつきあいながらもコンパやお見合いをしていた。年齢的にも真剣に結婚を考えたい彼女にとって、24歳の彼はどうしてもその相手には思えない。
「ずるいけど、他にいい出会いがあればと思って。お見合いしてること、彼にもちゃんと言ってあるの」それでも楽しそうにデートを重ねる二人は、ラブラブなカップルそのものだった。
梅雨明けの青空がまぶしい7月、二人は別れた。
サヨナラしようと言ったのはユウちゃんから。
「先の見えない関係が、しんどくなっちゃった。一緒にいたら楽しいし大好きなんだけど、ずるずる楽しいだけじゃ辛い。私は今すぐ約束が欲しかった。未来のある彼にそれを求めるのは酷だから。やっぱり、ドラマとかで見るよりずっと、8歳の差って大きいんだよ」。
彼は「突然だね」と驚きながらも、ユウちゃんの気持ちを理解し、受け入れた。
最後に思い出を作ろうと、二人は温泉旅行に出かけた。そこでもやっぱりすごく楽しくて、楽しい雰囲気のまま、最後に別れる時もまた会えるみたいに「じゃあね」と言った。
「さみしいけれど、これでよかったの」。
そうして恋愛市場にみごと復活したユウちゃんは、以前にもまして精力的にコンパに参加した。恋に燃える姿は、まぶしいくらいに勢いがあった。
そんな矢先。ユウちゃんは、ヒザの手術を受けるために急遽入院することになった。
初めての大手術にナーバスになるユウちゃん。こんな時に彼がそばにいてくれたらどんなに安心だろう。「しくじったなあ」とユウちゃんは思った。
しかし、彼は何事もなかったようにお見舞いに現れた。
手術後、病室のベッドに横たわって動けない、ノーメイクの痛々しいユウちゃんを見て、「痛そうだね」と彼は顔をゆがめて笑った。ユウちゃんは、本当はすごくすごく甘えたかった。でも、二人の間には近づきたいけどこれ以上近づけない、見えない線がくっきりあったから、我慢した。
「また来るから」と彼は言った。その言い方があまりにも自然で、可笑しくて、ユウちゃんは彼が帰ってから一人で泣いた。
相手のしあわせを一番に考えて、相手の望む距離で大切に想う。二人の恋愛は、大人にしかできない愛し方だと思う。
彼らの出した答えは、恋人というかたちではないかもしれないけれど。紛れもない、あいのかたち、だと思った。
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│著者:Sawako Matsuoka(コピーライター)
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