『 なんくるの普通の日々 』 Vol.029
2008.09.01

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│メルマCiCオリジナルエッセイ
│『 なんくるの普通の日々 』 Vol.029
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「ちいさな星」
 
前から知ってはいたけど、最近になって、その作品世界にぐんと引き込まれたのが奈良美智さん。いまさらと思われるかもしれないけど、どこか、いまの気分に寄り添ってくれているのかもしれない。
 
最近特に好きなのが、AtoZに出品されていた[The little star dweller](2006)という、穏やかな表情の女の子を描いた作品。ちいさな星の住人という意味。漆黒の夜、静かに目を閉じた少女のまわりには、星がきらきらと瞬いている。少し微笑みながら、自分のこころの奥深くを見つめているような、とてもやさしい表情でそこに佇む。
 
そういえば、夜中にふと思いついて、星を眺めてみる夜がある。月が出ていない、よく晴れた深夜。きらきらとした星の瞬きを見ていると、不思議と怖さとか孤独感を感じないもの。どこか見守られている感じというか、友達と話をしているようなあったかい気持ちになれる。星は、誰かとつながっているような、安心感をあたえてくれるのが不思議だ。
 
奈良さんは以前、『ちいさな星通信』という連載を雑誌に掲載していて、一冊の本としてもまとめられている。それは自分史でもあり、作品をめぐるこころの軌跡を書いたものだった。
 
人のこころの深いところに訴えるような絵を描くとき、奈良さんが見つめるのは内面であり、自分自身。ひとりで静かに考える時間がなければいい作品は生まれない。作品づくりに孤独であることはとても大切なのだ。だけど、人はひとりでは生きていけないのも事実。奈良さんにとっても「星」は、大事なこころの拠り所なんだと思う。
 
この[The little star dweller]という作品の女の子を見ていると、夜空の星を見上げたとき以上の、何かあたたかな感情がわいてくる。「みんながっばってるんだね」と、言っているような。ちょっと涙がじんわりするような、やさしさがある。
  
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│著者:なんくる(コピーライター)
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