『 なんくるの普通の日々 』 Vol.031
2008.10.31

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│メルマCiCオリジナルエッセイ
│『 なんくるの普通の日々 』 Vol.031
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「美女と刺繍」

誰もやったことのないアート作品で知られる清川あさみ。女優やモデルたちを植物や動物に見立て、彼女たちの写真に直接、糸やビーズを通して彩る「美女採集」という作品で一躍有名になった人だ。
 
1979年生まれの清川は文化服装学院で学び、在学中には雑誌のモデルとしても人気だった。卒業後は、カラフルな糸や布を使ったアート作品や、衣装、イラストレーション、映像作品などを創作。広告デザインや雑誌、絵本、スペースデザインなどで幅広く活躍している。学校を卒業してすぐに制作を始めた彼女は、20代ですでに高い評価を得ている。その後も、自分の世界をどんどん広げていっているところがすごいと思う。
 
「糸や布や服が好きで、作ることがとにかく好き」という感じが、作品からはダイレクトに伝わってくる。『caico』という彼女の作品集では、荒木経椎とのコラボも面白い。
 
造花に刺繍したものをアラーキーが撮影した写真はどれも、不思議な生命力を宿している。もともと命はなかったはずの造花に彼女の思いが宿ることで、生きた花とは違う、より人間に近いような独特の存在感が漂っている。もちろん、アラーキーの写真のすごさによるところも大きいのは確か。でも、アート作品の撮影をアラーキーに依頼すること自体が変わっている。そのあたりの違和感がとても心地よく、見たことのない世界がそこにある。
 
作者自身の顔写真いっぱいに、糸やスパンコールで刺繍されている作品もある。アップで見ると、皮膚にそのまま刺繍されているような、肌に直接穴をあけて糸を通しているような、生々しさがすごい。かなり過剰な表現願望というか、執念というか、彼女自身から湧きだしてくるパワーは痛いほど。これからも、まだまだ想像もつかないような作品が生まれてくるのが楽しみなアーティストの一人だ。
  
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│著者:なんくる(コピーライター)
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