『 恋レキ。〜彼女たちの恋愛履歴〜 』 story.034
2009.01.30

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│メルマCiCオリジナルエッセイ
│『 恋レキ。〜彼女たちの恋愛履歴〜 』 story.034
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「You go your way」
 
本気で愛して、死ぬまで一緒にいると約束して、共に暮らした相手とさよな
らする。離婚って、どんなに辛いんだろう。
 
恋愛の別れでも、立ち直るまですごく時間がかかるのに。その傷はどんなに深くて、どうしたら癒されるんだろう。結婚したことのない私は、想像をめぐらせてもわからない。
 
 
メーカーに勤める沙織ちゃん(30歳)は、飲み会で会った男性(30歳)を好きになった。彼は、去年の春に離婚したばかり。「最初は驚きました。でもお互いいい年だし、素敵な人だから、過去にいい恋愛はしてきたと思ってた」
 
「自分で驚いたのは、バツイチという事に全く抵抗がなかったこと。自分でも保守的なタイプだと思っていたから」
 
仲良くなるのに時間はかからなかった。前彼と別れて以来、久しぶりに恋をした沙織ちゃんは、積極的に彼を誘った。

「何度かデートして離婚のことを初めて聞いた。彼の辛さを思うとすごく苦しくて、気づいたら自分から襲ってた(笑)。こんなことを言うと年齢を考えろと言われそうだけど、彼が必要とするなら、私を利用してくれていいって思った」
 
その後のデートでは、彼もすっかり立ち直り、沙織ちゃんとの恋愛に前向きになっている風に見えた。完全に恋愛モードに入った沙織ちゃん。
 
 
「毎回、頭の中は100%性欲。でも、彼は私といて楽しそうだけど、どこか遠くて。こっちから触れても、なかなか関係を進めようとしない。私じゃダメなのかなって」
 
 
温度差を感じた沙織ちゃんは、勇気を出して彼に聞いた。すると彼は、「離婚のショックからまだ立ち直れない。沙織ちゃんの気持ちは伝わってくるけど、自分にはまだ、受け止める力がないよ。ごめん」と言った。
 
 
「私、彼の心の傷の大きさを全然わかってなかった。まだ無理だったんですよね。私のしてきたことは、彼を追い詰めるだけだったんだとようやく気づいて。本当に申し訳なくて、『今まで自分の気持ちばかりでごめんね』って言いました。彼は「謝ることないよ。お互い前を向いて元気になろう」って」
 
以来、彼への連絡をやめた沙織ちゃん。夜になるとベッドの中で、彼と携帯メールで交わしたことばを眺めては泣いた。誰かを想って久しぶりに流す涙だった。
 
「本当に好きになっちゃってたんだ」と彼女自身、驚いた。
 
 
彼は誠実な人だ。沙織ちゃんの本気を感じたからこそ、はっきりと断った。前を向いていかなきゃと頭ではわかっているけど、心はまだまだ、難しい。だから友達としても会えない、と。
 
「彼が奥さんを忘れられないのは、それだけ奥さんのことを愛していたから。彼すごくいい子なのに、こんな辛い想いをしなきゃいけないなんて、人生ってむごい。彼には幸せになってほしい。本当はそばにいたいです。だけどできない」
 
「でも私、また本気で人を好きになれて、すごくうれしかったんです」と沙
織ちゃん。
 
 
もうしばらくの月日が過ぎて、彼の止まった時間が動き出したあとに、二人はまた、会えるようになるのかもしれない。それとも、もう永遠に会わないのかもしれない。
 
 
彼の想いも、沙織ちゃんの想いも、どっちも伝わってきて苦しくなる。CHEMISTRYの名曲「You go your way」を思い出す。
 
 
想いは想いのままで 熱を失うだけ  
あなたは帰る あの日の場所へ 僕は僕の道へ
 
さよなら漂う日々よ 忘れる理由もないさ
愛したことを忘れる人を 愛したわけじゃない
 
 
本気で好きになった人のことを、ずっと忘れなくていいと思う。私は。想いは想いのままで、いつかまた、誰かを好きになればいいんだ。
 
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│Sawako Matsuoka(コピーライター)
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