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│メルマCiCオリジナルエッセイ
│『 恋レキ。〜彼女たちの恋愛履歴〜 』 story.035
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「てにいれたもの」
ちょっと古いけれど、「ロンバケ」の南と瀬名は7歳差のカップルだった。
「SEX AND THE CITY」のサマンサとスミスは、16歳差のカップル。
しかし、現実はドラマのように簡単にはいかない。
アヤパン似の美女、ユウちゃん。8歳下のイケメンの彼とは「結婚は考えられない」と、お互いの未来を想いあって別れた。
別れた後も二人は、仲の良い友達としてご飯を食べたりしていた。
彼はユウちゃんの事をいつも気にかけていたし、ユウちゃんも気持ちが
残っていたから、二人が戻るのは時間の問題だと誰もが思っていた。
ところが最近、彼に新しい彼女ができてしまった。
今は別の男性とデートしているユウちゃんだったが、このニュースにはさすがに打ちのめされた。
彼がつきあい始めた彼女は、彼と同い年。
素直で可愛くて、守ってあげたくなるようなタイプで、強くてたくましく、
さっぱり系のユウちゃんとは正反対。つきあっている当時は年上のユウちゃんが彼をリードしていたが、今回は彼が彼女をリードしているらしい。
「私から別れた訳だし、何も言う権利はないけれど、やっぱりヘコむわ。
結婚も早いんじゃないの?」
そう笑うユウちゃんは、本当は心のどこかで期待していたはずだ。いつか
彼とまたつきあえるって。後悔先に立たず。
振られるのが怖くて、あと一歩の勇気がなくて、あるいは空気を読みすぎて。そうやって目の前の恋を逃してきた30代ガールズが何万といるだろう。
私たちはちょっと前まで、こんな臆病じゃなかった。自由で、自信に溢れていて、怖いものなんかなくて、何より自分を信じていた。上手く何でも
やろうとして、大切なものをすっかり置いてきてしまった。
「最後に会った時、彼がふと言ったんだよね。『年が4歳くらいしか違わなかったら、結婚を前提につきあってた。それだけ僕は本気だった』って」
サマンサとスミスみたいに、南と瀬名みたいに、現実は甘くはない。年の差を乗り越える気持ちが二人になかった、と言えばそれまでだ。私は、彼が最後にした「愛の告白」が、とてもずるいなと思った。
なぜなら、年齢は彼女にはどうしようもないことだから。その人の存在や顔、生き方を変えられないのと同じくらい、どうしようもないことだから。
彼が好きになったのは紛れもなく、32年間生きてきて、いろいろ感じて、失敗して泣いたりして出来上がった、今のユウちゃん自身だ。嘘でも、それを理由にしてほしくはなかった。
「まあ、若さってことで。許してあげてよ」とユウちゃんは私をなだめる。
大人になると、自分では処理しきれない気持ちを経験することがある。勇気とか無鉄砲さとか、かけがえのないものをなくしてしまうこともある。
でも代わりに、私たちは宝物を手にする。他の誰でもなく、自分で自分のことを愛してあげられるちからだ。ユウちゃん、わかってると思うけど、あなたは十二分に素敵だよ。
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│著者:Sawako Matsuoka(コピーライター)
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