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│CiCナビ オリジナルエッセイ
│『なんくるのヴォイス・オブ・アート』Vol.003
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「前向きな、日食。」
いろんな人が、いろんな場所で体験した今回の日食。富山では部分日蝕だったけど、それでもかなり満足できる体験をした方も多いはず!私も急きょ、針で小さな穴を空けた白い紙を準備して、穴を通った光が三日月型になるのを観察。そして、時折雲に隠れる太陽を肉眼で一瞬見上げたりしながら、神秘的な時間を満喫することができた。
そして、テレビを見てさらに驚いたのが、あの硫黄島(いおうとう、または、いおうじま)から生中継をやっていたこと!硫黄島は、東京の遥か南、小笠原諸島にある島。第二次大戦の激戦地としても知られていて、クリント・イーストウッド監督の『硫黄島からの手紙』で衝撃を受けた物語の舞台。そんなすごい場所の、日食を見られるなんて!
火山島の硫黄島は今では一般の人は住んでいなくて、自衛隊の基地などがあるのみ。火山隆起なども激しいらしく、通常は一般人は立ち入ることが禁止されている。島の周りに放置された船の残骸は、かつて港をつくろうとして、そのまま放置されたものだとか。
まず、その海岸の風景を生中継で見られるだけでもすごいのに、画面に映し出された日食の様子は言葉を失うほどのすばらしさだった。人の歓声など一切なく、海岸に打ち寄せる波音が響くなか、周囲の風景は日食とともにどんどん変化していく。太平洋に浮かぶおっきな雲や地平線が、夕方のようにオレンジ色に染まって、やがてダイアモンドリングを経て皆既日食に。
特殊なカメラでは、白く浮かび上がるコロナだけじゃなく、太陽から立ちのぼる赤いプロミネンスも映し出していた。小さなプロミネンス1つで、地球が何個分もあるという太陽エネルギーのすさまじさ。
ふたたび、富山での日食。日食の間は、なんども外に出て、手元の紙に映る光や、薄雲に隠れる三日月型の太陽を見てみた。日食が一番大きい時間帯は少し薄暗くなって、涼しくなったような気もした。静かで不思議な、忘れられない、いい体験。
地球に生きるものすべてに光という大きなエネルギーをくれる太陽。命の源なのだけど、日食がなければ、これほど意識することもなかったのも確か。
26年後には、富山でも皆既日食が見られる。そのときまで頑張って生きようと、なぜか素直に決心していた。太陽はこれほどまでに前向きなパワーをくれる存在だということに、初めて気づく。いまさらだけど、すごいぞ、太陽!
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│著者:なんくる(コピーライター)
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